橋下市長の二足のわらじ
今、政界をにぎわしているのが、次期衆院選にうって出ようとしている橋下市長率いる大阪維新の会である。
何しろ産業能率大が実施した新入社員が選ぶ「理想の上司」調査で男性第一位になったのだ。抜群の人気度があり、民主党だけでなく自民党も、他の既存の政党もその存在感の大きさに、今はどう対処すべきか戸惑っているのが現状だ。
橋下市長(大阪維新の会代表)の存在感を作り出しているのは何か。
それは情報発信の上手さである。誰かが言っていたが、まさに小泉純一郎元首相の手法と似たり寄ったり。マスメディアを上手く使って、「自分は正義の味方、相手は悪玉」というパターンでt儀次に自分に都合の良い情報を発信していくのだ。
元来、横山ノックのようなお笑い芸人を大阪知事にしたぐらい、大阪市民や大阪府民はポピュリストが多いので、橋下市長が府知事になり、今は大阪市長という首長の座に座るぐらいは簡単なことだったに違いない。
ただ、大変だと思う。
維新政治塾という国や地方政治の場で活躍できる人材育成を担っているからだ。政治集団としての力量は未知数。
何しろ素人集団の集まりが維新政治塾だから。これは大村愛知県知事や嘉田滋賀県知事らの政治塾にも言える。
大阪市長と維新の会代表という二足のわらじを履くのは勝手だが、まだ大阪市長としての確たる実績を作り上げたわけではない。
昨年11月まで府知事をしていたが、何が変わったか府民にははっきり見えたとは言いにくい。
府民も市民も、橋下市長のパフォーマンスに、凄いなあ、やるなあと感じ入っただけで、しっかりと足跡=実績を確認してきたわけではないのだ。
たとえば、職員基本条例案についてもいえる。イエスマンばかりの組織になって、本当に大阪市が良くなるのか疑問だ。
まるで校則で生徒たちを縛ろうとする学校みたいだ。区長や局長などの幹部職員の公募制も側近政治を推進し、大阪市民には市がどのようなプロセスを経て政策決定をしているのかが見えにくくなるのではないかという不安がある。
区長については、いっそ区長公選制にした方が民主的じゃないの?
職員は全体の奉仕者であるというが、市長も市民のための奉仕者でなければならない。市民の声をよく聞き、市民のための政治が行われているのかどうかを、議会がチェックできるかどうかだ。なにしろ維新の会市議団が多数の大阪市会だ。
維新の会の市議の中には政務調査費で新聞記事になっている議員もいる。
そして、橋下市長は原発再稼動にかかわる発言もそうだ。
5月2日、「原発が再稼働できなかった場合の対策を国が講じていないのは重大な国家危機だ」と政府を批判。原発問題についてコメントするのは、誰だってできる。
脚下照顧だ。大阪市の市長になったのだから大阪を良くしようよ。経済にしろ、文化にしろ、地盤沈下し続ける大阪市。日本で一番、世界で一番といわれるぐらいの素晴らしい大阪市にしてからいろんな事を言ってほしいな。このような状態で、果たして二足のわらじを履いて活躍できるのだろうか。
今度は国政の場に出て行こうとしている。すると、大阪市もほったらかしという事になる。こんな橋下市長がホントにいい??


